〜気付くと いつも〜




「ここ、までか」

俺の人生に悔いはない
たとえ、俺の命がもうすぐ尽きるであろう、今も。

だが、
「こいつまで、巻き込んでしまった、か」

俺のそばで倒れる桜庭には
悪いことをしてしまったかと思う。


俺を選ばなければ、ここで死ぬこともなかった。
女としての幸せは与えてやることもできずに。

「だが、俺は」
お前の存在にどれほど救われたかわからない。
近藤さんを失った時も、いつもそばにいた、お前に。

「すまんな、お前を幸せにしてやれなくて」

胸に銃弾をうけていて、ほとんど苦しまずに死んだであろう、桜庭のもう動かない頬に触れて



俺も目を閉じる。

最後の言葉を…


心に、留めたまま。






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土方さんの命日記念。土方さん視点です。
高杉沙月様の「掌中の珠」でフリー配布されていたのを頂きました。
こちらは土方さんの視点で鈴花さんへの想いが語られています。

先に亡くなってしまった鈴花さんへの言葉が凄く切ないです…!感動です!
高杉沙月様ありがとうございました!


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