□離れない笑顔□



最近、気になる事がある。

新選組・唯一の女性隊士・ 

常に冷静で、あまり笑顔を見せないが笑っているのを見た日から、
あいつが気になってしかたない。

沖田さんが隊務で出かけている時に壬生寺へ子供達が遊びに来た。
それを、が対応していたんだが…

あいつで大丈夫なんだろうか。
気になった俺は声のする方へ向かう。






「お姉ちゃん、すごーい!」

「上手だね〜。」

「そう?」






俺が見たのは笑顔でお手玉をしているの姿だった。






「ねー、五つは出来る?」

「うん、出来るよ。」

「わぁ!すごい、すごい!!」






あんな風に笑えるのか…
普段は男の中に居るため、気を引き締めてるのか。

あれが本当のか。

俺達と話すときは笑わないのにな…。






「ハジメさん、どうしたの?」

「平助か。」

さん、見てるの?」

「いや…。」

「なんか、俺らよりも冷静だよね、彼女。」

「そうだな。」






気を張って、隙を見せないようにしているんだろう。

あのままで疲れないのだろうか。





仕事熱心だし、誰よりも稽古している。
近藤さんや土方さんの信用もかなり得ている。

なにがそこまでさせているんだろうか。

…そして。
何故俺はここまでが気になるんだろうか。






「斎藤さん。」

「どうした、。」

「今日の隊務、一緒でしたね。よろしくお願いします。」

「あぁ。」






は隊に属していない。
仕事内容によって各隊へ配属される。

今日は俺のところか。

俺は2人組みに隊士を分け、見回りを始めた。

は俺と。
近藤さんが言われているというのもあったが、考えがあった。

街中を避け、川の方へ向かう。






「斎藤さん?」

「座れ。」






川沿いの土手に座らせた。






「えっと…。」






戸惑っているな。
まぁ、当然だろう。






「目の下にクマ、できている。」

「煤I!」

「休むのも仕事のうちだ。」

「斎藤さん…。」




俺の前くらいでは、自然体で居てほしい。
子供達と遊んでいた時のように。



ゴロン…



は身体を横にした。






「本当は…すごく気を張ってたんです。夜も…小さな音や気配で目が覚めてしまって…。」

「男所帯だからか?」

「いえ。第一、誰も私を意識してません。」






それはないと思うが。






「以前…まだ家に居る時、賊に入られたことがあって…それ以来、夜が怖いんです。」

「賊に?」

「えぇ。」






それが新選組に入った理由だろうか?」






「父も兄も剣に長けた人たちだったので、何事もなかったのですが…そういう人間を野放しにしたくないんです。」






なるほどな。

俺も夜が怖いと思うことがある。
俺の力が至らなかった為、命を落とした隊士達が浮かんでくるから。






「今は休め。俺も時々そうしている。」

「…斎藤さんだけです。こうして…気づいてくれたのは…。」

「そうか…。」

「ありがとうございます。」

「!!」





礼と同時にあの笑顔を見せてくれた。






「俺の前では自然体でいい。」

「はい。」






笑顔を向けてもらって気づいた。

俺は…
に惹かれていたんだな。






「お前の事を…名前で呼んでもいいだろうか。」

「かまいませんよ。」

「…。」

「はい、なんでしょう。」

「休みたくなったら…俺の所へ来い。何があっても護ってやる。」

「…はい。」






俺がを傷つける全てから護る。

だから、いつか…
俺を選んでくれ。









−end−





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「†Paraphrenie†」 佐具羅 蒼月様に18000HITリクエストさせて頂きました!
今回は主人公の名前にして頂いて、ありがとうございます!

斎藤さん視点で想いを自覚するあたりのお話なんですね!
とっても素敵ですvやっぱり斎藤さん大好きですvv(感想と言うか惚気だ;)

でわでわ!蒼月様!ありがとうございました!


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