「・・・・・」


下校途中、空から降ってくるはずのないものが降ってきて、は唖然としていた。


「これ・・・、薔薇??」



「薔薇の花が降る日」



「何で薔薇が空から・・・」


は空を見上げる。

しかし、そこに薔薇の花はない。
勿論、薔薇の花がありそうな建物もない。


「一体どこから・・・?」


風に飛ばされてきたとも考えられるが、今、風は吹いていない。


「?????」


一輪の真っ赤な薔薇を持って、は道路で立往生していた。


「どうした、


急に後ろから声をかけられる。


「ひゃぁっ?!」

「・・・・・・・」

「・・・・・?」


後ろを振り向くと、そこにはの1つ先輩、斎藤一が無表情で立っていた。


「さ、斎藤先輩・・・・・」


『ひゃぁっ?!』などと、驚いてしまったのがいけなかったのだろうか。
いつも以上に無表情なのを、は悟った。


「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「あっ、あのっ、すみませんでした!!斎藤先輩を怒らせるようなことをしてしまって・・・」

「・・・・・はぁ。別に・・・怒っている訳じゃない。こういうのは慣れてるし」

「は、はぁ・・・・・・」

(・・・慣れてるんだ・・・・・)

「あ、じゃあさっきは何故、あんな感じ(いつも以上に無表情)だったんですか??」

「そ、それは・・・・・」


斎藤は頬を赤らめた。


「???」

「・・・いや、なんでも、ない」

「?????」

「・・・・・それより、どうしてこんな所で立往生しているんだ」


斎藤は、何とかいつも通りに戻り、さっきの質問をもう一度投げかけた。


「あ、それはですね・・・」


もつられて、いつも通りに戻る。


「これです」


そして、さっきの薔薇を差し出した。


「・・・・・・薔薇?」

「はい。さっき、これが空から降ってきて・・・。
 このことを考えていたら、ここで立往生してしまった、ということです」

「なるほどな・・・。
 しかし、薔薇が空から降ってくるなんてありえ・・・?!」

「あっ・・・!」


斎藤が、「ありえない」と言おうとしたその瞬間、再び、薔薇が空から降ってきた。

ふわふわと。

ゆっくり。

そして・・・。


「あっ、斎藤先輩の足元に落ちましたね!」

「ああ・・・」

「まるで、斎藤先輩を選ぶようにして降ってきましたね〜」

「そうだな・・・」


斎藤は、その薔薇を拾い、何か愛しいものでも見るかのような目つきで薔薇を見つめた。


「本当に・・・・・・」

「・・・斎藤先輩?」

「・・・・・いや、今はやめておこう」

「???」

「何でもない。帰るぞ」

「・・・はいっ!!」


☆おまけ☆

「もうっ!折角、オレらが気を利かしてムードをつくってあげたのに!
 ハジメさんったら、欲ないな〜」

「そうねぇ〜。
 ハジメちゃんったら、イイトコでやめちゃうし!!」

「ま、それがハジメだけどよォ・・・。やっぱ、なんかな〜」

「あのまま、ガーッといけばいいものを・・・。斎藤のヤロー、意外と奥手か?」

「うんうん。あそこは斎藤君もいくべきだったよね〜・・・。
 ・・・・・・それよりさ、この余った大量の薔薇、どうする??」


★おまけ2★

(そういえば、どうしてあの時、斎藤先輩は頬を赤くしたんだろ?ハッ、もしや、風邪とか?!)

―真相―

「好きな女に、あんな風に驚かれちゃあショックだよなァ?ハジメ?」

「・・・・・・永倉さん」



Fin

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「たけのこご飯」様でキリ番踏んでリクエストさせて頂きました!
カガリ様の斎藤さん小説です!しかも学園物ですよ!!斎藤先輩です!
実際主人公の方が年下設定なので、斎藤さんが先輩で嬉しいですv
当サイトドリ主で書いて頂きまして、ありがとうございます!

主人公のボケっぷりも、最後みんなが出てきて楽しい雰囲気も、
とっても面白かったです!斎藤先輩素敵過ぎますしvv
カガリ様ありがとうございました!


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